設立して間もない社長へ!数字を味方につけて本業に集中する方法

会社を設立されたばかりの社長は、営業に採用、資金繰りと、やることが次から次へと出てきて、本当に目が回る忙しさではないでしょうか。
本業に全力を注ぎたいのに、帳簿づけや税金のことまで気が回らない、というのが本音だと思います。
しかし、この「数字」の部分を早めに整えておくと、融資の場面や日々の経営判断で、後々大きな味方になってくれます。
今回は、設立直後の社長に押さえていただきたいポイントを解説します。

☆この記事で得られること

  1. 設立直後にやっておくべき記帳の基本がわかる
  2. 融資の審査で評価される(加点される)ポイントがわかる
  3. 売上以上に「利益」を意識すべき理由がわかる

本当に少しずつで良いから
記帳の習慣をつける

会社(法人)は、基本的に日々の取引を帳簿に記録することが求められています。記録は「複式簿記」という方法で行います。
複式簿記と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、最近は会計ソフトがある程度自動で仕訳をしてくれますので、ハードルはずいぶん下がっています。
記帳を続けるうえで、大切なのは次の3つです。

  • 会社の口座と社長個人の口座を分けること
  • 領収書・請求書・通帳といった「証拠書類」を残すこと
  • できるだけ毎月こまめに記帳すること

特に最初の「口座を分ける」は、設立直後にやっておきたいことです。会社と個人のお金が混ざってしまうと、どれが経費でどれがプライベートの支出か、後から判別するのに大変な手間がかかります。
難しく考える必要はありません。まずは会社用の口座を一つ用意し、領収書を仕事用とプライベート用で分けて保管する。この2つから始めるだけでも、後の作業はぐっと楽になります。
また、一年分をまとめて処理しようとすると、記憶も領収書も曖昧になり、かえって時間がかかります。月ごとに区切って記帳しておけば、今いくら儲かっているのかを、その都度はっきり把握できます。
こうして毎月積み上げた記録から、会社の成績表ともいえる「試算表」が出来上がります。この試算表が、次にお話しする融資の場面でも大きな意味を持ってきます。

融資を受けるために気を付けること

設立間もない時期は、金融機関からの融資を検討する場面も多いでしょう。
このとき金融機関が見るのは、決算書と、月々の試算表です。記帳が滞っていて数字をすぐに出せないと、それだけで印象を損ねてしまいます。
逆に、以下ができている社長は高く評価されます。

  • 月次の試算表をすぐに提示できる
  • 資金繰り表を作成し、お金の流れを把握している
  • 事業計画と、その実績を比較して説明できる

これらができていると、「この社長は、貸したお金をしっかり活かしてくれそうだ」という安心感につながります。数字の管理は、それ自体が信用となり、融資の加点材料になるのです。
逆に、提出した数字がいい加減だと、せっかくの事業の魅力も伝わりにくくなってしまいます。日々の記帳が、ここで効いてくるわけです。
特に設立直後は、日本政策金融公庫などの創業融資を利用される方も多いでしょう。創業時はこれまでの実績がない分、自己資金をどれだけ準備したか、そして事業計画にどれだけ説得力があるかが重視されます。ここでも、思いつきではなく数字を裏づけとして語れるかどうかが、評価の分かれ目になります。

売上も大事、でも「利益」はそれ以上に大事

事業を始めると、どうしても売上の金額に目が向きます。売上はもちろん大事です。
しかし、それ以上に大事なのが「利益」です。
仮に、ある月の売上が300万円あったとします。一見すると好調に見えます。
ところが、仕入れや外注費、賃料、人件費などの経費が320万円かかっていれば、その月は20万円の赤字です。

賃料や人件費といった固定費は、売上がゼロの月でも容赦なく出ていきます。
売上をいくら伸ばしても、経費を引いた利益が赤字のままでは、これらの支払いに行き詰まり、いずれ資金が尽きてしまいます。
売上を追いかけると同時に、「手元に最終的にいくら残るのか」という利益の視点を、ぜひ持っていただきたいところです。

本業に集中するために

ここまで記帳や数字の話をしてきましたが、社長にとって一番大切な仕事は、言うまでもなく本業で稼ぐことです。
慣れない帳簿づけや税金の計算に時間を取られて、肝心の本業がおろそかになっては、本末転倒です。
お金や税に関することは、税理士に任せてしまうのも一つの方法です。
正確な記帳と申告は私たちが引き受け、社長には本業に専念していただく。
さらに、毎月の数字をもとに、資金繰りや利益の状況を一緒に確認していく。その役割分担が、結果として会社の成長を早めるはずです。

「でも費用が気になる」という声もよく聞きます。税理士に支払う費用は、どこまでを社長ご自身で進めておくかによって変わることがあります。
領収書を仕事用とプライベート用に分けないまま、まとめて渡してしまう、いわゆる「丸投げ」の場合は、その仕分けから手間がかかるため、どうしても費用は高くなりがちです。
反対に、領収書を整理しておく、現金出納帳をつけておくなど、できる範囲を自分で進めておくと、その分だけ費用を抑えられる可能性があります。
ご予算に応じて、任せる範囲を相談しながら決めていくとよいでしょう。

当ブログでは今後も、設立して間もない社長が「もっと早く知りたかった」と後悔しないために、知っておくと得するお金や手続きの話を、折に触れてお届けしていく予定です。

気になる方は、ぜひまたのぞいてみてください。
設立して間もない今だからこそ、早めに数字の土台を整えておきましょう。
何から手をつけてよいか迷われた際は、井上会計事務所にお気軽にご相談ください。

井上会計事務所