現金を管理することは、何かと手間のかかることです。
一方で、現金を管理せず放っておいて、今(もしくは最近)いくらあるのかを把握していないことは、中々心が落ち着かないものです。
そこで、この記事では現金を管理する理由と、管理のやりかたを解説します。
☆この記事で得られること
現金を管理する理由がわかる。
領収書などの支払った証拠を集めること(管理のやり方)が大事だとわかる。
早速、現金を管理する理由を解説していきます。
①社長などのプライベートの支出が混ざっていないか
現金を管理すると言うと、財布や手提げ金庫の中身を数えることを想像されると思いますよね。
その通りです。
でも、もう一つ理由があります。
それは、「入金と支出を把握すること」です。
もう少し解説しますと、金庫の中身と数えたら、現金の帳簿残高と合わせます。
実際は、先に金庫の中身を数えておいて、後から帳簿をつけて、合うか合わないかを調べます。
例えば↓です。
前月残高が10万円あった。
今月支払いの領収書が2万円ある。
だから、今月末の現金残高は8万円あるはず。←これが帳簿残高
実際の残高も8万円。←中身を数えた結果
では、その帳簿残高はどうやって把握したでしょうか?
直接数えたのではなく、前月から引いて計算しましたね。
引くためには、その内容と金額を把握します。
このときに、「これは経費かどうか…」を判断する必要があります。
仕事のためなら経費ですし、プライベートの支出なら経費になりません。
毎日管理すべき、とは言いません。
できる範囲でやっていきましょう。
②金融機関などから信用を得られる
現金管理は、金融機関も気にするポイントです。
融資を受けるときに、「うちは現金管理やってないんだよね」と言ったら、担当者はどう思うでしょう。
…よく思わないことは確実です。
逆に、「月末に金庫の中身を確認していて、残高も合わせていて…」と言うことができれば、担当者は、融資するお金をしっかり使ってくれそうだな、と安心感が持てるはずです。
理由はこれでおしまいです。
理由があることはわかりましたが、現金管理に時間を割くことは考え物です。
ではどうするか、という話になります。
考えられる方法を挙げてみます。
- 現金は金庫などに保管する。
- 会社のお金を持ち歩く人(例えば社長)は、物理的に財布を2つにする。領収書もサッと入れられると良い。
- 領収書は確実に集める。とにかく処分しない、させない。
- 経費精算のルールを作る…手続きが発生するが、会社のお金を持ち歩く必要なし(領収書があれば何とかなる)。
- 日々の取引を帳簿・現金出納帳に記録し、実際の残高と合わせる
たまには社長も確認する。
もちろん毎日 5. ができれば理想です。実際はそうもいかないと思いますので、私が一番大事と考えるのは、「3.領収書は確実に集める」です。
領収書さえあれば、実際に出金があったことが証明できますし、帳簿からも出金(減らす)ことができます。
事後的に何とかなる運用にするには、とにかく領収書を確実に集めることが大切です。
あとは帳簿に記載するルールなど(4.と5.)を決めて、ルーチンで処理していきましょう。
領収書さえあれば何とかなる運用を目指しましょう。
井上会計事務所