確定申告の時期が近づいてくると、「今年こそ税金を少しでも減らしたい」と考える個人事業主の方は多いのではないでしょうか。
その願いを叶える強力な武器が「青色申告承認申請書」です。この一枚の書類を提出することで、年間数万円から数十万円もの節税が可能になります。
青色申告のメリット、デメリット、そして注意すべきポイントを具体的な数字とともに解説します。
☆この記事で得られること
- 青色申告のメリットや注意すべきポイントがわかる。
圧倒的な節税効果!
青色申告の具体的なメリット
青色申告特別控除:最大65万円の所得控除
青色申告の最大の魅力は、何といっても「青色申告特別控除」です。これは所得から最大65万円を差し引くことができる制度で、実際の節税額は課税所得によって以下のように変わります。
【節税額シミュレーション】
- 所得300万円の場合:控除65万円×税率10% = 約6.5万円の節税
- 所得500万円の場合:控除65万円×税率20% = 約13万円の節税
- 所得800万円の場合:控除65万円×税率23% = 約15万円の節税
さらに、住民税(10%と仮定)も考慮すると、65万円×10% = 6.5万円の追加節税となり、合計で年間約13万円~21万円もの税金を減らすことが可能です。
控除額には65万円、55万円、10万円の3段階があり、それぞれ要件が異なります。
最大の65万円控除を受けるには、貸借対照表・損益計算書の作成と、e-Tax(電子申告)による確定申告または電子帳簿保存が必要です。
55万円控除は、65万円控除と同様に貸借対照表・損益計算書の作成が必要ですが、紙で提出しても受けることができます。
10万円控除は簡易な帳簿付けでも認められます。
赤字の繰越控除:最大3年間の損失繰越
事業が赤字になった年でも、青色申告なら諦める必要はありません。その赤字を最大3年間繰り越して、翌年以降の黒字と相殺できます。
【例】
• 1年目:赤字200万円(繰越可能)
• 2年目:黒字300万円 → 200万円を相殺して所得100万円に
• 節税効果:本来300万円に課税されるところ、100万円のみの課税ですむ。
この制度により、事業の立ち上げ初期などの赤字を有効活用できます。
青色事業専従者給与:家族への給与を経費に
配偶者や親族に事業を手伝ってもらっている場合、一定の条件を満たせば「青色事業専従者給与」として支払った給与を全額経費にできます。
こちらは別途、届出書を税務署へ提出する必要があります。
白色申告では原則配偶者86万円、その他の親族50万円という上限がありますが、青色申告なら労働の対価として妥当な金額であれば上限はありません。あくまで妥当な金額の範囲です。
少額減価償却資産の特例:
30万円未満の資産を一括経費化
通常、10万円以上の資産は減価償却として数年にわたって経費計上しますが、青色申告なら30万円未満の資産を購入年度に一括で経費にできます(年間合計300万円まで)。
【活用例】 パソコン25万円、プリンター15万円、ソフトウェア20万円を購入 → 合計60万円をその年の経費として一括計上可能
→所得税率20%なら約12万円の節税効果
貸倒引当金の計上:回収不能リスクに備える
債権の一定割合を貸倒引当金として経費計上できます。実際に貸し倒れが発生していなくても、将来のリスクに備えて経費化できるため、所得を抑えることができます。
留意点と対処法
記帳の手間
最大65万円の控除を受けるには、複式簿記での記帳が必要です。
簿記の知識に不安のある方にとっては、最初のハードルとなるかもしれません。一方で、税理士へ相談すれば指導してもらえます。
事前申請と期限の厳守
青色申告を行うには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があり、また2年連続で期限内に申告しなかった場合、青色申告の承認が取り消されるリスクがあります。
【対処法】
- 開業時は開業届と同時に青色申告承認申請書を提出すれば手間が省けます。
- 確定申告の期限は原則毎年3月15日です。余裕を持って提出しましょう。
また、青色申告承認申請書の提出期限は以下の通りです。
• 新規開業の場合:開業日から2ヶ月以内、または開業年度の3月15日のいずれか遅い日まで
• 白色申告からの切り替え:青色申告したい年の3月15日まで
この期限を過ぎると、その年は青色申告できず、翌年からの適用となってしまいます。
貸借対照表の作成
白色申告では損益計算書の作成ですみますが、青色申告の65万、55万円控除は、貸借対照表も作成する必要があります。
まとめ
青色申告承認申請書の提出により、年間で十数万円から数十万円もの節税が実現できることがお分かりいただけたでしょうか。
「帳簿付けが大変そう」と敬遠されがちですが、井上会計事務所にお任せいただければ、十分に対応可能です。
2026年の節税のために青色申告の準備を整えることで、確定申告を有利に進めることができます。節税できた資金を事業の成長に再投資することで、さらなるビジネスの発展につながるはずです。
不明点や個別の状況については、井上会計事務所にご相談ください。青色申告という制度を最大限に活用し、賢い経営を実現していきましょう。
青色申告は、税制改正により、今後ルールが変更になる可能性があります。
実際に処理を進める際は、最新のルールをご確認ください。
井上会計事務所
